991Gen2 GT3 サーキット向け整備のご紹介です。
サーキットを楽しまれる顧客に向けて生産されたGT3ですが、やはりタイムを追及してくるとドライバーさんの走りに合わせたセッティングが必要になってきます。
GT3に使用されているサスペンションパーツはノーマルでもキャンバー角のセッティングは専用のシムにより容易に変更可能です。しかしキャンバー角をサーキット重視へ変更した後、フロントタイアがフェンダー内部に干渉する事や、他の懸案事項が見つかりましたので、リセッティングを行いました。
フェンダー内部の干渉の原因はロアアームに装着できるシムを厚くしたために、キャスター角が寝て(前側へ引っ張られ)フロントタイアがフェンダー内部へ干渉してしまいました。
そのために、キャスター角を自由に調整できるタイプへ変更し、キャスター角を立てる方向へセッティングへする事により問題を解決しました。
今後は細かなキャスター角の調整を行えるようになりました。
もう一つの懸案事項として、ロアアームがシムにより延長されたためにステアリングタイロッドも長く調整する必要があります。そのため、タイロッドエンドへインサートされる長さが減り強度的に不安が残っておりました。
ここで最近になって発売されたロングタイロッドへ変更することにより、十分な長さがインサートされ強度的な不安が減りました。
ロアアームシムによりキャンバー角を増やした車両はワンセットで交換必要な部品です。
もちろんブレーキメンテ、タイアの整備も必要です。
レースでN認証タイアがレギュレーション上必要になりますので、ミシュランパイロットスポーツCUP2を装着。
ブレーキパッドはポルシェ純正品をチョイス。キャリパー固定ボルトは同時交換指定です。
純正は「PAGID」製でおそらくGT3専用の摩材になっており、耐フェード性、ローターへの攻撃性、摩耗性等がバランス良く、むやみに社外品に交換するよりも良いです。
セラミックのピストントップもまだ割れてませんので、継続利用OKです。
ブレーキフルードは「エンドレスRF650」。噂によるとF1でも数チームで使用されているとか・・・⁉
国際サーキットではストリートでは考えられない速度でコーナリング、そして250Km/h以上からのフルブレーキングが必要になります。
しっかりとした整備が施されていなければ自分自身だけでなく他の走行車両にも危険を及ぼす事になってしまうかもしれません。
真剣な遊びには、真剣な準備・整備も必要です。
サーキットを安心して攻めこんでください!